壁の厚みを有効活用した小物収納棚は、室内に出っ張らないため、デザイン的にもスッキリしており、「見せる」収納としても適しています。ただし、どこにでも自由に設けられるわけではありません。小物収納棚の設置ができない場所をご紹介します。
(構造)
壁の厚みを活用した収納は、構造用合板や石膏ボードなどのパネルを切り欠いて設置することになるため、構造上重要な壁には、設置できません。ただし、切り欠きの範囲が極めて小さなものであったり、パネル材が耐力壁として扱われない、軽易なものであれば設置可能な場合もあります。また、壁内部に筋交い(斜め材)が入っている場合は、これを避けて設置しなければなりません。絶対に筋交いを切り欠くことの無いようにしてください。
(断熱)
外壁に面した壁には、断熱材(グラスウール、ロックウールなど)が入っているため、壁の厚みを利用した収納を設けることはできません。一部だけだからと断熱材を取り払ってしまうと、そこが断熱上の弱点となり、結露が生じる場合もあります。
収納棚の設置により構造や温熱環境に悪影響を与えてしまっては本末転倒です。リフォームを行う際には、新築時の図面を確認するとともに、信頼できる専門家に相談することが大切です。