収納は多ければ多いほど助かりますね。特に、壁の厚みを利用した埋め込み型収納は、部屋の面積に影響なく設けることができるため、スペースの有効活用ができます。室内に出っ張らないため、デザイン的にもスッキリとしており、飾り棚として使用することもできます。埋め込み型収納を設けるにあたり、注意するポイントを考えたいと思います。
「構造」
埋め込み型(壁面)収納は、構造用合板や石膏ボードなどの面材を切り欠いて設置するため、構造上重要な耐力壁には、原則として設けることはできません。ただし、構造要素が筋交い(斜め材)のみとなっている場合は、筋交いの位置を避けて設置することが可能な場合もあります。また、真壁構造の和室は壁厚が小さいため、埋め込み収納の奥行寸法が限定されるので注意が必要です。
「断熱」
外壁に面した壁には、グラスウールなどの断熱材を入れる必要があるため、原則として埋め込み型(壁面)収納を設けることはできません。また、外壁に面していない室内壁の場合も、防音等を目的とした断熱材が入っている場合があります。この場合は、防音性を犠牲にして、埋め込み型収納を設けるかどうか、優先順位の検討が必要となります。
モデルルームや雑誌などでは、何気なく設けられている埋め込み型収納ですが、設置可能な場所は限定されます。平面計画をプランニングする際には、収納のイメージも考えながら進めることが大切です。