階の部屋をバルコニーにするということは、建物の床面積が減りますので、「減築」という扱いになります。一般的には、床面積が減るとともに高さも抑えられる方向にありますので、法的には「可能」だと考えられます。
(構造)
2階の部屋を撤去するにあたっては、壁の配置バランスが変わるため、構造計画の再検討が必要となります。2階部分の重量が軽くなることで上階の押さえ効果が失われ、1階の引き抜き力が増大するケースも考えられます。この場合は、1階柱脚部分の必要金物が不足することがあるため、注意が必要です。また、屋根の一部除却も発生するため、小屋組みの構造についても十分な検討を行ってください。
(防水)
もともと屋内だった部分が屋外になる訳ですから、防水処置には十分に配慮しなければなりません。新たにつくったバルコニー床・外壁の防水はもちろん、その接続部分の納まりは防水上の弱点となりやすいため、最新の注意が必要です。また、バルコニー内部の水を円滑に外部へ排出するよう、雨水の排水計画にも気を配ってください。
建物が小さくなる方向のリフォームは、ついつい軽く考えてしまいがちですが、想像以上に検討すべき事項があります。リフォーム後も安心して生活するために、信頼できる専門家に相談することが大切です。