「鉄筋コンクリート(RC)造」は、マンションの構造体や、戸建住宅の基礎などに使われる、構造強度・防火性能に優れた建築工法の一種です。
(材料)
コンクリートの材料は、セメント+水+細骨材(砂)+粗骨材(砂利)です。セメント+水+細骨材を「モルタル」といい、塗り材料などとして使用しますが、これに粗骨材を加えることで、コンクリートとなります。
(つくり方)
鉄筋コンクリートをつくるには、まず鉄筋を組み、その周りに「型枠(せき板)」と呼ばれる型を組み立てます。これにコンクリートを打ち込み、所定の強度が得られた後に型枠を外します。せき板の存置期間は、平均気温等により異なりますが、最短3日と定められています。
(強度出現)
コンクリートは、打設後少しずつ強度が出てきます。構造計算などは、打設から28日後の強度(4週強度)をもとに設計します。
(鉄筋とコンクリートの関係)
コンクリートは圧縮に強く、引張に弱い材料です。逆に鉄筋は引張に強く、圧縮に弱い材料です。コンクリートの内部に鉄筋を入れることで、お互いの弱点を補い合う構造が「鉄筋コンクリート」です。鉄筋とコンクリートは、熱膨張率がほぼ同じであるため、気温が変化しても同じように伸び縮みするという、極めて相性の良い材料なのです。
(鉄筋コンクリートの弱点)
鉄は酸に弱い材料ですが、コンクリートがアルカリ性であることで守られています。大気中の二酸化炭素などの影響でコンクリートのアルカリ性が失われる(中性化)と、鉄筋が膨張(発錆)し、コンクリートにひび割れなどが生じます。中性化の進行を遅らせるためには、鉄筋の周りに十分なコンクリートの厚み(かぶり厚さ)を確保することが重要です。基礎コンクリートのかぶり厚さは、土と接する部分は6cm、それ以外の部分は4cmなどと定められています。
このように、「鉄筋コンクリート造」は、コンクリートと鉄筋の特性を生かした合理的な構造ですが、その弱点を知った上で、確実に計画・施工を行うことが重要です。