リビング階段のメリット、デメリットは何ですか？

近年、住宅づくりにおいてリビング階段の人気が高まっています。その人気の理由はどのようなものでしょうか？メリット・デメリットについて考えてみましょう。

（メリット）
・2階の個室から外出する際に必ずリビングを通るため、家族（子供）の行動が把握でき、家族間のコミュニケーションが取りやすくなります。
・1階と2階の行き来がしやすく、加えて心理的にも1～2階の距離が近くなります。
・リビングの広がりが感じられるとともに、階段がアクセントとなるなど、空間設計の幅が広がります。
・階段室を独立して設ける必要が無いため、床面積を有効に使えます。

（デメリット）
・1～2階を仕切るものが無いため、空調効率が課題となります。特に、冬は温めた暖気が上へ逃げてしまうため、1階リビングの暖房負荷が大きくなる傾向があります。
・リビングの音（音楽、テレビなど）が2階へ響きやすい。
・キッチンの臭い・煙などが2階へ通じやすい。
・内壁面が少なくなるため、テレビや家具などのレイアウトが難しくなります。

階段の設置位置により、2階の間取りが制限されるため、1階・2階双方の間取りを同時に考えながら計画することが重要です。なお、階段室型を選んだ場合でも、階段下をトイレや収納にするなど、床面積の有効活用は可能です。階段設置方式によるメリット・デメリットをしっかりと理解したうえで、設計者に要望を出すことが重要です。