家の内外装を全て剥がし、基礎や柱、梁などの骨組みだけを残して、家まるごと全て更新するリフォームを一般的に「スケルトンリフォーム」と言います。木造住宅のスケルトンリフォームについて、ポイントを紹介します。
1.構造部材
構造部材が見える状態となりますので、このチャンスに主要な構造部材の傷み具合をチェックします。白あり被害や、腐朽など、損傷が激しい部材は交換します。特に、水回りの土台や柱の柱脚部(根元)は要チェックです。
2.耐震改修
傷んだ構造部材を健全な状態にし、さらに筋交いや構造用合板、接合金物などを現行基準どおりに取り付ければ、最新の耐震基準を満たすことも可能となります。耐震改修補助制度を設けている自治体では、これに要する費用が補助対象となる場合もあります。
3.配管・配線
老朽化した設備配管や電気配線は、水漏れや漏電などの事故原因にもなります。スケルトン状態にしたのを機に、新しいものに更新することが望ましいと言えます。合わせて、大型テレビやオーディオの配線を隠してしまえば、すっきりした部屋ができます。
このように、家まるごと「スケルトンリフォーム」では、古い建物の不安を全て取り除き、新築同様の美しく安全な家づくりが可能となります。耐震改修計画の検討など、事前の計画を綿密に行うことが重要です。また、工事を進めていくうえで、想定外の出来事が生じる可能性も高いため、予備費用を見ておくと良いでしょう。設計者・施工者には、臨機応変に対応できる能力が問われます。