スケルトンとは、「内部の構造が透けて見えること」「骨組み」などの意味があります。建築物においては、柱や梁、土台など、建築物の構造体(骨組み)をむき出しにした状態を指します。建築物を一旦このような状態にしたうえで、新たに内外装や設備などを施工することを「スケルトンリフォーム」と呼びます。鉄筋コンクリート造のマンションと木造戸建て住宅では、少しポイントが違います。
1.マンションのスケルトンリフォーム
間仕切り壁を全て取り払い、外壁・界壁(住戸間の壁)・床・天井などに囲まれた鉄筋コンクリートの構造体をむき出しにします。構造体は共用部分ですので、手を加えることはできません。間仕切壁を設けるなど、専有部分の範囲内で、自由に間取り変更を行うことができます。床下や天井裏の空間が無いため、キッチンや浴室など水回りのレイアウトを変更する場合には、配管経路の検討などが必要となります。
2.戸建て住宅(木造)のスケルトンリフォーム
外壁、間仕切り壁に加え、床板や天井も全て取り払います。柱や梁、土台など構造材の痛み具合が目視確認できるため、必要に応じ傷んだ柱や梁の交換も行います。接合部に金物を取り付けるなど、耐震性能についても最新の基準に合わせたものとすることができます。
どちらの場合も大掛かりな工事ですから、工事費用はそれなりに覚悟が必要です。ただし、古い建物の場合、小出しにリフォームを重ねるよりも、不具合を全て洗い出し、一度に全て更新してしまったほうが効率的とも言えます。工期が長くなるため、工事中の仮住まいについても考慮する必要があります。