狭い敷地に住宅を計画する場合に障害となるのが、建築基準法による各種制限です。法律をしっかりと理解しておくことで、限られた条件の中、敷地を最大限に活用することができます。
(建ぺい率)
建築面積(建物の水平投影面積)の敷地面積に対する割合を「建ぺい率」といいます。「建築面積」の考え方ですが、軒、ひさし、はね出しのバルコニーなどで、外壁の中心線から1m以上突き出たものは、その先端から1m後退した線で囲まれた部分の水平投影面積を建築面積とします。高い開放性を有する建築物の部分についても、その端から水平距離1m以内の部分の水平投影面積は、建築面積に不算入とできる場合があります。なお、建築面積は、「地階で地盤面1m以下にある部分を除く」とされており、地下室などは、建築面積が発生しない場合もあります。また、街区の角にある敷地(角地)などでは、建ぺい率の上限を10%加算できる場合があります。
(容積率)
建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合を「容積率」といいます。容積率の算定において、住宅の地階は、住宅の床面積の合計の1/3を限度として床面積に不算入とすることができます。駐車場部分の床面積についても、床面積の1/5を限度として不算入とすることができます。また、幅員15m以上の「特定道路」から延長距離70m以内の道路に接する敷地においては、容積率の上限を加算できる場合があります。
(高さ制限)
建築物の高さは、全面道路の反対側の境界線や隣地境界線からの斜線により制限されますが、これと同程度以上の採光・通風等が確保されるものとして定められた基準(天空率)に適合する場合は、斜線による制限を受けません。
法的制限が厳しいからと、これを無視して建築を進めると、違反建築となってしまいます。関係する法律をしっかりと理解し、合法的に敷地の活用を図りましょう。なお、上記のテクニックを活用するには、その他細かな規定を満たす必要があります。建築関係規定に詳しい設計者に相談することで、狭い土地を最大限に活用することが可能となります。