建築物の耐震改修は本来、構造的に一体となっている建築物「全体」を耐震化するものですが、これはどうしても工事が大掛かりになり、費用も大きくなる傾向があります。そのため、一部屋だけでも地震に対して安全な場所を用意しておきたいという希望も多くあります。
このような要望に応えるために開発されているのが、「耐震シェルター」と呼ばれるものです。部屋の内部に強固な構造体を組み込むことで、地震に安全な空間を創出します。耐震シェルターは、その構造により大きく2タイプに分類されます。
1.鉄骨系シェルター
構造体のフレームが鋼材で造られたものです。
鋼材の長所を生かし、大空間をシェルター化するのに適しています。
一般的に自重が大きく、新たに基礎を設けることが必要となります。
2.木質系シェルター
構造体が木造で造られたものです。
軽量で設置が容易、比較的安価に設置できる傾向があります。
小さな空間をシェルター化するのに適しています。
耐震シェルター設置の需要はこれから伸びていくことが予想され、
自治体によっては耐震補助制度の対象となっているところもあります。
シェルターはその構造上、どうしても内部空間が一回り狭くなってしまいますが、
これらの弱点を克服した、より安価で実用的な商品の開発が期待されます。