古いアパート、特に耐震基準が改正された昭和56年5月以前の建築物は、
耐震性に不安を抱えるものが数多く存在します。
耐震改修を行う場合は、耐震補助制度を設けている自治体もありますので、
事前に相談するとよいでしょう。
ただし、アパートや長屋は、建物全体で一つの構造体を形成しているため、
一室だけ補強工事を行っても、十分な効果があるとは言えません。
建物の所有者が複数に渡る場合は、各所有者の合意形成を図り、
建物全体の耐震診断、耐震改修を行うことが理想です。
賃借している部屋など、自分だけで耐震改修を行うことが困難な場合は、
建物の「一室」を出来る限り安全な状態にする方法もあります。
ここでは、3つの方法を紹介します。
1.耐震シェルター
部屋の内部に強固な部屋を設置し、安全な空間を確保します。
安全性はかなり高いと言えますが、部屋が一回り狭くなります。
2.耐震ベッド
就寝中の被害を軽減するものです。
就寝スペースの上部が鉄フレームなどでガードされたものです。
3.家具などの固定
過去の大地震では、家具の倒壊による被害も多かったことが明らかになっています。
壁に下地が入っている場所を確認し、確実に固定することが重要です。
居住形態等により、自分の希望だけでは耐震改修が進められない場合もありますが、
家族の安全を考え、まずは出来ることから始めることが大切です。
(※設置方法によっては、家主の承諾等を要する場合があります。)