住宅のバリアフリー改修は、どこを重点的に行えば良いか考えてみましょう。
【玄関】
玄関には、どうしても段差が生じます。適切な位置・高さに手すりを取付けることにより、上り下りが楽になります。高低差が大きい場合は、上り框に式台を設置すると良いでしょう。開き戸の玄関ドアは、引違い戸に交換すると、出入りが楽になります。玄関のスペースにはゆとりをもたせるよう、無駄なものは片付けたほうが安全です。
【浴室】
浴室には設備配管や防水の関係上、段差が生じているものが多いです。また、浴槽への出入りの際も、身体に大きな負担がかかります。浴室の床を上げるとともに、濡れても滑りにくい床材に交換すると良いでしょう。床上げによる段差解消には、浴室内すのこを設置するという方法もあります。浴槽への出入り・浴室内の移動には、手すりの設置が有効です。浴槽を新しいものに交換することで、出入りのし易さが大幅に改善できる場合もあります。その他、入浴用いすや浴槽内いすを使用するなどし、入浴中に安定した姿勢を取れるよう配慮が必要です。
【階段】
階段は高低差が大きく、転倒は大事故につながってしまいます。手すりの設置(古い住宅は手すりが付いていないものもあります。)を行うとともに、段板の交換・加工等により、滑らないよう配慮を行います。また、暗い階段室や、夜間への対応として、足元灯を取付けるとより安心です。その他、階段昇降機を設置するという方法もあります。
【敷居】
敷居のわずかな段差は、つまづきやすく危険です。敷居の段差解消スロープを設置したり、敷居を撤去することなどで、対応します。床上げや仕上げ調整でフロア内の床高さを統一することが理想的です。
【外まわり】
建物の外回りについても、スロープや手すりを設けるなどの段差解消の配慮が必要です。屋外に設けるスロープの勾配は1/15以下とすることが理想的です。
これから新築する場合などは、1階のみで基本的な生活が完結できるような間取りとしておくと、将来的な生活スタイルの変化に対応しやすくなります。