ペアガラスとは、大手ガラスメーカーの登録商標であり、一般的には「複層ガラス」という呼称を用います。2枚以上のガラスの間に、スペーサーと呼ばれる金属材でつくられた中空層(空気層)を設け、そこに乾燥空気を密閉したものです。これにより高い断熱性が得られ、結露の発生などを大幅に抑えることができます。外側のガラスにLow-Eガラスを使用して遮熱性を高めたり、合わせガラスを使用して防犯性を高めるなど、使用するガラスの種類により、さらに性能向上を図ることができます。
なお、複層ガラスの効果として、断熱性に加え「防音性」の向上を期待する方がいますが、音源の周波数などによっては、2枚のガラスが共振を起こし、一般的な単板ガラスよりも遮音性が劣る場合がありますので、注意が必要です。防音を目的とする場合は、複層ガラスよりも、窓の内側(または外側)にもう一枚窓を設ける「2重サッシ」が適しています。
最近では、省エネルギーや快適性を目的として、単板ガラスから複層ガラスに変更するリフォームが増えています。サッシごと交換すると工事が大掛かりになり、費用も大きくなるため、既存のサッシを利用して複層ガラスを設置できる商品が開発・発売されています。
日本における複層ガラスの普及率は、先進国の中ではまだまだ低く、今後の普及促進策を期待したいところです。