アスベストは「石綿」ともいい、天然に産出する鉱物の一種です。熱や摩擦に強く、様々な建築材料に使用されてきました。繊維が非常に小さく、粉じん吸入による健康障害の恐れが発覚したことから、現在は使用が規制されています。石綿は、その飛散性などにより3つのレベルに分類されています。
(レベル1:著しく発じん性の多い製品)
鉄骨造の柱・梁など、建物の一部に直接吹付けられているものです。主に耐火被覆、吸音、断熱、結露防止等を目的として使用されています。吹付け材は、飛散性の高いものが多く、注意が必要です。
(レベル2:比重が小さく、発じんしやすい製品)
主に耐火被覆材、断熱材、保温材などとして使用されているものです。鉄骨造の柱・梁、設備配管、煙突、ボイラ周辺等に見られます。
(レベル3:発じん性の比較的低い製品)
建材(成形板)の成分に石綿が含まれているものです。屋根(化粧スレート)、外壁(窯業系サイディング)、天井(けい酸カルシウム板)、床(ビニール床タイル)などに含まれている場合があります。通常の使用では飛散しにくいものですが、撤去工事の際には注意が必要です。
延べ面積の1/2を超える増改築を行う際などには、吹き付け石綿の除去が義務付けられています。住宅において想定されるものは主に「レベル3」の石綿ですが、吹付け石綿らしきものが見つかった場合は、専門家に確認を依頼し、適切な処理を行ってください。